2日に慢性閉塞(へいそく)性肺疾患で亡くなった落語家桂歌丸さん(享年81)の椎名家・落語芸術協会による合同告別式が11日、横浜・妙蓮寺で営まれた。笑福亭鶴瓶、三遊亭円楽、桂文珍、林家ペー、林家こん平ら親交のあった関係者や別れを惜しむ多くのファンが訪れた。

 祭壇にはデルフィニウムの青い花と菊など約3000本が置かれ、歌丸さんの出身地である「横浜の海」をイメージしたものになった。遺影は、3年前の15年8月に国立演芸場での高座に出演したときに撮影したものが使用された。法名は「眞藝院釋歌丸(しんげいいんしゃくかがん)」。

 10日には、家族葬が横浜市の葬祭場で営まれ、三遊亭円楽やヨネスケ(桂米助)ら約50人が参列。市内斎場で荼毘(だび)に付された。関係者によると、歌丸さんは気に入っていた緑色の着物を着て、ひつぎには渓流釣りのさお、愛用の扇子、手ぬぐいが納められた。

 この日の告別式では、落語芸術協会最高顧問で歌丸さんの師匠桂米丸、林家木久扇らが弔辞を読み、三遊亭小遊三、歌舞伎俳優中村吉右衛門があいさつ。

 会場には、「桂歌丸さんを偲ぶ」と題した展示室も設置された。着物や写真パネル、「笑点」の釈台、めくり、「笑点」50周年で贈った車椅子、旭日小綬章、趣味の渓流釣りのさお、扇子、手ぬぐいなどが展示された。

 また、各所に設置されたモニターでは、4月19日の国立演芸場での最後の高座の様子が流された。