作家の乙武洋匡氏(42)が、子供をつくらない性的少数者(LGBT)を「生産性がない」などと指摘した自民党の杉田水脈衆院議員(51)の発言について「次に排除されるのは『私』かもしれない」と警鐘を鳴らした。

 乙武氏は杉田議員の発言を問題視し、連日ツイートしている。23日には「『生産性がない』と他者に烙印を押す方がいる。みずから選んだ境遇でもないのに、そんな烙印を押された人々の悔しさ、やるせなさはどれほどだろう。そうした人々の生きづらさに寄り添い、苦しみの声を丹念に拾い、少しでもその生きづらさが解消されるよう活動するのが政治家の責務ではないだろうか」と疑問を投げかけた。

 24日には「『あなたはLGBTなので生産性がありません』『あなたは障害があるので生産性がありません』『あなたは高齢者なので生産性がありません』『あなたは能力が低いので生産性がありません』--国家にとってどれだけ有益かという観点から優劣がつけられる社会になれば、次に排除されるのは『私』かもしれない」と危惧。

 「そして、その優劣を決めるモノサシを政治家が握るならば、私たち国民1人1人は国家に対してどれだけ自分が有益であるかをアピールして、『私たちにこそ税金を使ってください』と他者を蹴落としていかなければならなくなる」と指摘し、「私たちが目指すのは、そんなバトルロワイヤルのような社会なのだろうか」と問い掛けた。

 杉田議員は18日発売の月刊誌に、LGBTへの行政支援に疑問を呈する内容の文章を寄稿して物議をかもしている。