橋下徹前大阪市長(49)が、全国高校野球選手権大会で準優勝を果たした金足農(秋田)吉田輝星投手の熱投が美化される風潮に疑問を呈し、「選手寿命をどれだけ縮めたのかを科学的に明らかにすべき」と、あらためて高校野球の「投球制限」に関して問題提起した。

 金足農は秋田県勢103年ぶりの決勝進出を果たし、決勝戦では大阪桐蔭に敗れたものの、9人野球で準優勝を成し遂げた。チームの快進撃をけん引した吉田は秋田大会5試合で636球、甲子園6試合の投球数は881球の熱投。しかし決勝では大阪桐蔭の猛打の前に5回までに12失点。6回に力尽き、今夏11試合目で初めて降板した。

 橋下氏は22日更新のツイッターで大阪桐蔭と金足農業のメンバーに敬意を表した上で、「しかし金足農業の吉田選手を美談で終わらす間は、日本のスポーツ界に未来はない」と指摘。「吉田選手にどれだけの負担がかかり、選手寿命をどれだけ縮めたのかを科学的に明らかにすべき。それくらいのことができないなら日本のスポーツ科学論は役立たず」とした。

 橋下氏は、12日に星稜(石川)と延長13回の激闘を繰り広げた済美(愛媛)の山口直哉投手が184球を投げた試合についても、「投球数制限は直ちに導入すべき。こんな不合理・非科学的なことをやり続ける国は、前近代的野蛮国家だ。さらに練習日数・練習時間制限を導入して、決められた練習時間でいかに結果を出すかを切磋琢磨(せっさたくま)させるべき」と持論を展開していた。