イタリアを代表するブランドの1つフェンディの人気バッグ「ピーカブー」の10周年イベントに個性派3人が顔をそろえた。

モデルの森星(26)映画監督の安藤桃子(36)歌手のゆう姫(年齢非公表)。共通するのは「アートの血」を受け継いでいることだ。森の祖母はデザイナーの森英恵、母は元モデルの森パメラであり、安藤の父は俳優・奥田瑛二、母はエッセイスト安藤和津。そしてゆう姫の父は故・松田優作、母は女優・松田美由紀である。「ピーカブー」の「世代を超えて受け継がれる」というコンセプトに合わせての起用だという。

自然と仲間意識が芽生えたからだろうか、3人は日頃聞けないような家族の事情を明かした。

森は「私にとって母親の存在は大きい。米国から異国の地にやってきて5人兄妹を育てたんですから。その強さは私にはたぶん無いと思うし、リスペクトしています。祖母も母もひとつのものを大切に使うところがあって、そんなものへの考え方が私にも少しずつ分かってきた気がします」。

安藤は「父は家族はせつないもんだ、と言います。みんな性格がバラバラでかみ合わない。サーカスのようにバランスをとっている感じです。でも、子どもが生まれた時。最初に顔が出てちょうど私と見つめ合う形になった時、不思議と『お母さん!』と息んでいたんですね。きっと今になって感謝というか、生きてるだけでありがたいということを実感して。これが絆なんだと思いましたね」。

ゆう姫は「父が早く亡くなったので、残された4人(兄は松田龍平、翔太)の絆は年々深くなっている気がします。みんな母の背中をみて育ったんですけど、例えば私がライブをやると、別に申し合わせたわけでもないのにいつの間にか家族がみんな来ている、なんてことがあります。励まし合い、愛し合い、そしてお互い負けてはいられない、そんな関係だと思います」とそれぞれの家族関係を語った。

3人がデザインした、それぞれの唯一無二の「ピーカブー」バッグには、そんな家族とともに培った個性が反映されていて、チャリティー・オークションにかけられている。

ファッションの中でもバッグに重きを置く女性に聞くと「30代で持ちたいと思うのはピーカブーか、同じ価格帯のレディディオール。そしてその先に上の価格帯のエルメスのバーキンがあります。安くないものだけに背景とか歴史とかも大切になってきます。それにはストーリーが必要。10年目のピーカブーはきっとバーキンみたいな位置付けを目指しているんでしょうね」という。

3人の家族のストーリーはそんな「ピーカブー」に厚みを加えたのかもしれない。