倉科カナ(30)が15日、都内で主演映画「あいあい傘」(宅間孝行監督、26日公開)の試写会イベントに立川談春(52)宅間監督(48)と出席した。

カメラマンのさつき(倉科)が25年前に突然姿を消した父、六郎(立川)と再会を果たすまでを描く感動作。

倉科は5年ぶりの映画主演。オファーに縁を感じたといい「さつきちゃんと近い境遇のところがあって、自分の中の痛みを力に変えて演じられる役だと思いました。見終わって、私自身も救われました」と話した。

父親を演じた立川はTBS系ドラマ「下町ロケット」での演技がプロデューサーの目に留まり出演オファーを受けたというが、「そういうのを世間では勘違いと言うんです」と謙遜。実際にオファーを断り続けていたことを明かし「そのせいで公開が遅れたんです。全て私が悪かったんです」と笑わせた。

映画のクライマックスは親子の再会シーンだが、倉科は「談春さんとの距離感を大切にしていて、現場ではほとんどお話をしていません」。これを聞いた談春は「その思いを知らないから、しばらく嫌われているかと思っていた。目も合わせてくれない。呼ばれておいてこの仕打ちかと」と苦笑した。撮影後はうち解けるようになったといい「こんなに気さくでこんなにいい子なんだと分かったのは楽しい思い出です」と笑った。特に再会シーンでの倉科の演技は圧巻で「最初のセリフを聞いた時にゾゾ~ッとして。いろんなことを考えていたんですけど、全部飛んだ」と絶賛した。倉科本人は演技に集中しきっていたようで「記憶がないんです」と笑ったが、「その思いを共有できたので(演技に)全く悔いはないし、楽しみにご覧いただきたい」と胸を張った。

倉科は「たくさん愛の詰まった、人間味のある映画になっています。映画を見た後に立ち止まって心に問いかけて、自分の中にある愛を見つめる機会にしていただければ」と話した。