京都・南座が2年9カ月に及ぶ大規模改修工事を終え11月1日に新開場するのを記念し、今月27日に、南座前から八坂神社までの四条通で、歌舞伎俳優約70人が参加するお練りが行われることが16日、分かった。京都での歌舞伎俳優による大規模お練りは史上初。

400年を超える歌舞伎の歴史を支えてきた日本最古の劇場、南座の新開場だ。お練りは四条通を約400メートル、4車線を全面規制して行われる。周辺は京都屈指の観光地区。八坂神社の祭礼である祇園祭などの伝統行事以外での全面規制はほとんど例がなく、歌舞伎のお練りによる規制はもちろん初めて。

お練りには中村時蔵(63)をはじめ、11月1日に初日を迎える「吉例顔見世興行」で襲名披露する松本幸四郎(45)市川染五郎(13)ら花形、若手世代の俳優が参加する。最年少は中村勘九郎(36)の次男中村長三郎(5)。俳優約70人参加も史上最多で、13年3月に東京・銀座で行われた歌舞伎座新開場記念パレード時の63人を上回る。

「五花街」(祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東)の舞妓(まいこ)や、京都府知事、京都市長、祇園商店街関係者、松竹関係者らも参加し、お練り参加者は総勢約150人になる。祇園商店街には、今日17日からのぼり旗も立ち、南座新開場を京都全体で盛り上げる。

◆南座 1603年(慶長8)に出雲阿国が京都でかぶき踊りを披露し、四条河原は芝居町として発展してきた。南座は歌舞伎発祥直後に誕生、1906年(明39)から松竹が経営に当たる。やぐらを備えた桃山風破風造りの現在の姿になったのは1929年(昭4)。96年に国の登録有形文化財に指定。京都市の歴史的意匠建築物でもある。内部は1~3階席まで計1082席。