1991年のアニメ映画「機動戦士ガンダムF91」の主役シーブック・アノー役などで知られる声優、ナレーターの辻谷耕史(つじたに・こうじ、本名やすふみ)さんが17日、脳梗塞のため都内で亡くなったことが23日、分かった。56歳だった。

辻谷さんの訃報を受け、後輩の声優たちがツイッターで追悼のメッセージを送った。辻谷さんが所属し、現在は妻の声優渡辺久美子が所属する声優事務所シグマ・セブンの安元洋貴は「頭の整理がつかない。俺にアニメのきっかけをくれたのも、スーパーサッカーのきっかけをくれたのも辻谷さん。せめて、せめて恥をかかさないためにもこれからも地に足つけて踏ん張る。そうしか言えない。悔しい。悲しい」と悲痛な思いをつづった。

同じくシグマ・セブンの水沢史絵は「15年前のあのオーディションで辻谷さんに出会っていなかったら、今の私はいません。お父さんみたいなお兄さんみたいな先生みたいな、私の恩人です。まさかこんな急にお別れになってしまうとは思っていなかったので、まだ心の整理がつきません」「シグマセブンに入るきっかけをくれたのも辻谷さんでした。貧乏劇団員でお芝居だけではご飯が食べられなかった私に『君の声はきっとナレーションもできるよ、ちゃんと食べられるようになるから頑張れ』と新しい可能性を示唆してくれた日を今でもはっきりと覚えています」「辻谷耕史さんが初めて音響監督をした作品で私は声優デビューしました。声優未経験の劇団員だった私をオーディションで見いだしてくれたのが辻谷さんでした。その後もFateやシムーン、いろいろな作品で私を起用しては仕事ぶりを気にかけてくれてました」(コメントは原文のまま)と辻谷さんに感謝した。