現在、フジテレビ系連続ドラマ「SUITS/スーツ」(月曜午後9時)に出演中の女優鈴木保奈美(52)に23年ぶりにインタビューした。前回は主演映画「ヒーローインタビュー」が香港で公開された時に、香港で3、4人の記者で囲んで話を聞いた。当時はマスコミに対して固い態度だった保奈美も、今はとってもフランク。年齢も20代から50代になった。

だが、時がたっても変わらないものがあった。それは「鈴声」と呼ばれる、美しく響く、澄んだ声だ。平成の初めのバブルに踊っていた頃に、CM業界やマスコミが流行らそうとして、クローズアップされた用語だ。その代表選手が、女優鈴木保奈美だった。

23年たった鈴木保奈美は、その鈴声でよく笑った。話も弾んで、プライベート、そしてお芝居以外のことも聞いてみた。

保奈美は、雑誌「婦人公論」で「獅子座、A型、丙牛。」というエッセーの連載を昨年4月から続けている。月に2回、2週間に1度というのは、この「芸能番記者」と同じ頻度で締め切りがやってくるということだ。記者をやっていても、ボーッとしているとネタに困ることがある。女優、主婦をこなしながらの執筆について聞いてみた。

「結構、大変です(笑い)。これは結構、使えるなとか、普段からいろいろなことをチェックしています」と言う。原稿を書くことについては「小学校の時、作文が大好きで、割りと書くことは好きです」と話してくれた。

テーマは娘さんのお弁当、選挙、水着、白髪、セクハラ…と、多岐にわたっている。「ひとつのテーマでやろうとすると非常に難しいので、その時に思いついたことを、その時の仕事場で発見したことを、書いています」。それなら「次のテーマは織田裕二ですね」と聞くと、大きく笑った。

忙しい生活の気分転換になるのかとも思ったが「そうかな、気分転換になるのかな」と首をかしげた。そして「こういう取材をしていただいた後に結構、悶々(もんもん)と『あの時、こういう質問に対して、こういう風な言い回しで言った方が分かってもらえたんじゃないか』とか延々と考えてしまうんです」と意外な答えが返ってきた。

「じゃあ、その感じを自分で書けばいいじゃないという感じなんです」。そう言って、鈴声で楽しそうに笑った。