女優吉田羊が17日、都内で、俳優太賀(25)主演の映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(御法川修監督)の公開記念舞台あいさつに登壇し、子役の頑張りに涙した。

児童虐待を描いた作品で、太賀と吉田は親子を演じた。母から虐待される幼少期を演じた子役の小山春朋(10)は「羊さんは本当は優しい人だから心が苦しかったと思う」と、吉田に宛てた手紙を読み上げた。

春朋君の思いが詰まった手紙に、吉田の目には次第に涙があふれた。役に入り込むため、撮影中は春朋君とコミュニケーションをとらないよう意識していたといい、「彼がオールアップの日に『羊さんに嫌われてると思っていました』と言ったんです。彼はこの小さな体で、役の感情なのか吉田羊の感情なのか分からない感情を、子役という立場上受けなければならず、ありがたかったしごめんねという気持ちでハグをしました。こんなすてきな言葉を頂けて幸せです」と涙声で話した。

さらに、母の愛を追い求める難役を演じた太賀にも感謝を込めた。「俳優太賀のファンで、この作品を引き受けたいちばんの理由は相手役が太賀君だったから」と明かし、「体の底から絞り出すような芝居は圧倒的で、私は全然太刀打ちできなかった。太賀君に対峙(たいじ)するにふさわしい俳優にならなければと、襟を正されるような思いでした」と話した。

共演の森崎ウィン(28)も出席した。