「第30回フジテレビヤングシナリオ大賞」の授賞式が22日、都内の同局で行われ、都内在住の中学2年生、鈴木すみれさん(14)の「ココア」が大賞に輝いた。

14歳の大賞受賞は史上最年少。第1回の大賞受賞者で、これまでの最年少記録(19歳)の持ち主である脚本家坂元裕二氏がサプライズゲストとして登場し、30年の節目にふさわしいツーショットが実現した。

小学5年の時に見た坂元脚本の「Mother」(日本テレビ)に衝撃を受け「こういう仕事がしたい」と独学で脚本の勉強を始めたという鈴木さんは、あこがれの坂元氏の登場に大喜び。「坂元さんの最年少記録を上回れてとてもうれしいです」。坂元氏も「30年もかかったのかと思うが、5歳も記録を更新してくれてこんなうれしいことはない」と祝福した。

鈴木さんは文章を書くことが好きで、小学1年から夏休みの自由研究で小説を書き始め、すでに6冊の小説を書き上げているという。脚本は今回が初めてで、初作品で大賞を射止めた。

受賞作の「ココア」は、学校や家族から疎外された3人の女子高生の人生が綿密に重なり合う青春群像劇。「どんどん引き込まれるせりふが最大の魅力。執筆当時13歳というのは驚異的であり、無限の才能を秘めている」(荒井俊雄審査委員長)と評価された。坂元氏も「才能豊かで、うまいなと思う。何より感銘を受けたのは、人間を見る力。深くて広い。これからどんな道を行くにしても、人間を見る力の強さは役に立つ」と太鼓判を押した。

鈴木さんは「坂元裕二さんのように、書きたいものをたくさん書けるといいなと思います」とこれからの抱負を語った。坂元氏に「キャラクターはどう作っているのですか」と逆質問し、坂元氏が「生まれた時から今までのことなど、その人のことをひたすら考えること」と答える場面もあった。