俳優舘ひろし(68)が6日、11月30日に肺炎で亡くなった、ドラマ、映画「あぶない刑事」シリーズを手掛けた製作プロダクション、セントラル・アーツの社長でプロデューサーの黒沢満さん(享年85)の通夜に参列した。

「いつも温かく、僕らを包んでくれる人でした」と故人をしのんだ舘。「あぶない刑事」が始まる前のことを振り返った。「黒沢さんがこれでやるって言うので、僕は『あぶない刑事』というタイトルが好きじゃない、と言ったんです。『危険な刑事』にしたかった。でも黒沢さんはこれでいくって。『あぶない刑事』で良かったです。すごく、本当に、大きな財産を残していただきました」と感謝した。

舘は、黒沢さんが最後に手掛けた映画「終わった人」にも主演した。今年9月に、同作でモントリオール世界映画祭最優秀男優賞を受賞した。入院中の黒沢さんに受賞を報告しに行こうとしたが、弱った姿を見せたくないという家族の意向もあり、面会はかなわなかった。

舘は亡くなった翌日に黒沢さんの自宅を訪れ、さらに数日後に賞状を持って再訪したという。舘は「僕にとっての餞別(せんべつ)になりました。ちゃんとしたご恩返しができなかったので」と、涙で声を詰まらせた。

この日は、「あぶデカ」シリーズの柴田恭兵(67)仲村トオル(53)浅野温子(57)木の実ナナ(72)もそろって参列した。

戒名は此暁院月光日満居士(しぎょういんげっこうにちまんこじ)。

ほかに吉田栄作、萩原聖人、松田美由紀、哀川翔、石橋凌、名取裕子、松田龍平、中島ひろ子、志穂美悦子、文音らが参列。

告別式は7日、同所で営まれ、仲村が弔辞を読む。