モテないダメ男が男性上司と男性後輩から求愛される三角関係を真っすぐに描き、社会現象的な人気を呼んだテレビ朝日系連続ドラマ「おっさんずラブ」が映画化され、来夏公開されることが6日、分かった。

主人公・春田創一役の田中圭(34)、春田を奪い合う黒沢武蔵部長役の吉田鋼太郎(59)と後輩の牧凌太役の林遣都(28)ら俳優陣、演出の瑠東東一郎監督、脚本家の徳尾浩司氏らドラマ版のスタッフが続投する。

このほど日刊スポーツなどの取材に応じた田中は、映画化決定に「続編は『やらないです』って言ってたんですけど…すみません。ありました」と笑った。「おっさんずラブ」は、天空不動産営業所を舞台に、女にモテない春田が上司の武蔵と後輩の牧から熱い好意を寄せられ、はざまで揺れる中で真の愛に気づく純愛物語。16年末に単発ドラマとして放送され評判を呼び、今年4月から深夜枠で連ドラ化されると、さらに人気は過熱。今月3日発表された「新語・流行語大賞」トップテンにも選ばれた。田中自身、16年の写真集が重版されるなど「僕までブームみたいな感じになり、取材の数が20倍になった」と同作をきっかけにした大きな反響を明かした。

脚本は制作中だが中国・上海に転勤が決まった春田が結婚に向かっていた黒沢に背中を押され、牧にプロポーズして結ばれた最終回の先を描く。豪華ゲスト俳優の出演も予定されており、新たな「おっさん」の登場も期待される。田中は「連ドラは完結と思ってやった。(ドラマとして)『2』は正直、難しいと思った。映画になると2とは違う。新しい何かを作ることができる。おっさん同士の愛の形は決着したので、そこからスタートしないと意味がない」と意気込んだ。

一俳優として脚本に口を出さないのが信条だが、脚本を読み徳尾氏にアイデアを出すことも考えている。田中は「連ドラを超えるものとして、映画での続編は最高のゴール。完結という気持ちでやる」と集大成を作り上げる覚悟を示した。【村上幸将】