昨年の紅白歌合戦は例年以上に内容が濃く、好評でした。

ビデオリサーチによると、平均視聴率も関東地区で41・5%(関西地区40・5%)といい数字。一方で、舞台裏ではちょっと首をかしげたくなることもありました。あるアーティストの出場回数を本来なら4回目のはずが、NHKは5回目と紹介したのです。

これまで一般的に企画コーナーに登場するアーティストは「出演」。出場歌手として歌唱する場合は「出場」と、報道する側もNHKもほぼ共通認識をもって言葉を使い分けてきました。NHKは今回、出場と出演を厳密に分けてきたわけではないとしていますが、記録だけはしっかりとしていました。たとえば、NHKは今回も北島三郎について、企画コーナーの出演であり、51回目の出場ではないと説明しています。

なのに、あるアーティストについては過去の企画コーナー出演を出場とカウント。NHKに問いただすと、当時のことは知らないので責任あるコメントはできないという姿勢。NHKの公式ホームページには問題となる当時について企画のゲスト出演と記してありました。

どうでもいいこと、と思う視聴者もいるかもしれません。ですが、過去の出場回数は将来に関わってくる重要な記録。出場者は記録が残り、今後、何回目の紅白出場と表現されるのです。記録は過去から未来に引き継ぐ大事な財産。どうして修正しないのか不思議です。