詐欺被害者への賠償を免れるため、元妻に資産を譲渡したように見せかけたとして、沖縄県警は18日、服役中の元タレント羽賀研二容疑者(57=本名・当真美喜男)と元妻の当真麻由容疑者(41=会社役員)を、強制執行妨害と電磁的公正証書原本不実記録の疑いで逮捕した。事件の被害者で大阪市内で不動産業を営むY社長(62)が18日、日刊スポーツの取材に応じ、羽賀容疑者について「アイツは希代のワル」と怒りをあらわにした。Y社長らの調べでは、月340万円の家賃収入を得ていたという。

羽賀容疑者と元妻の麻由容疑者が逮捕後、大阪市内でY社長が語気を荒らげた。「ほんま、悪いヤツです。服役中にもかかわらず変な動きをしていたんですわ」。今回の事件は、Y社長の関係者が県警に相談し、発覚した。

Y社長が羽賀容疑者に計約3億9000万円の返金を求めた訴訟では、大阪地裁が16年10月に全額支払いを命令。「民事裁判では羽賀側から和解の申し出が何度かあった。『お金がないので3億9000万円を200万円でチャラにしてほしい』と。そんなアホな。どうしても納得できませんでした」。

羽賀容疑者は大阪高裁へ控訴したが、大阪高裁は17年5月、1審判決を支持し、羽賀容疑者の控訴を退けていた。

Y社長らが羽賀容疑者の財産について調べていくと驚きの事実が浮かび上がったという。「お金がないといっておきながら、生まれ故郷の沖縄にビルを3棟と貸家を2軒、軍用地を1つで、1カ月の家賃収入は約340万円もあった」。

しかも羽賀容疑者が13年に実刑6年の判決を受けた数カ月後に名義が麻由容疑者に移っていたという。「ふざけんな! ですわ」とY社長。「夫婦でこれだけのことをしたのだから、判決の金額通りのお金を返してほしい」と訴えた。

服役中の羽賀容疑者に心境として「『あっ、バレちゃった』と思っているかもしれないが、今回ばかりはそれではすまない」。Y社長の目がつり上がった。【松浦隆司】