公開中の映画「LOVE HOTELに於ける情事とPLANの涯て」の公開記念舞台あいさつが19日、大阪・シネ・リーブル梅田で行われ、14年ぶりの映画主演となった俳優三上博史(56)、宅間孝行監督(48)が登壇した。2人からは、異例の長回し作品ならではの裏話が明かされた。

ラブホテルを舞台に、撮影カメラを固定したスタイルで描く密室群像劇。演劇なども手がける宅間監督が見せる、まるで舞台劇を見ているかのような長回し撮影が生み出すワンシチュエーション映画だ。

「やんちゃなクソ野郎」と自らの役柄を表現した三上は、長回し撮影など、宅間監督ならではのスタイルに「こういう形で撮るのは初めて」。通常の映画なら、5秒で長いというワンカットが何十分もあったといい「命がけだった」と振り返った。

作品を鑑賞した観客から「一番苦労したシーン」について質問が飛ぶと、宅間監督は「ほんとはどうしても許されない1テイクがあった」と暴露した。

低予算からリハーサルを2週間行い、3日間で撮影した同作。中には約40分の長回しシーンもあり、どうしても出演者以外の映り込みが避けられず「スクリーンの中にバッチリ、スタッフが1人映り込んでいまして。ラブホテルにいる亡霊みたいな感じで」と、笑顔で明かした。

三上に同じシーンの撮り直しをお願いすると「三上さんがやんないって言うんで」と言い、そのまま使われたという。三上は「もう1回お願いしますって言うから『イヤだー!』って言って」と、素直に拒否したと笑わせた。

宅間監督は「(その撮影日は)『三上の夜』と名付けられて、僕らの間では語りぐさになっている」と、強い印象を話し「(ハプニングを)逆にどう見せていくかっていう時に、いろんなアイデアが生まれて、それがすごく楽しかった」。異例の長回し作品ならではの苦労と楽しさを語っていた。