4月末に東京・日比谷野外大音楽堂で開催された、SHOW-YAが主催する女性歌手限定のロックフェス「NAONのYAON 2019」を取材した。個人の趣味など関係なし配置され、さまざまな現場を見られるのがこの仕事の面白いところ。記者にとって「NAONのYAON」も、まさにその類いだった。

同イベントは87年に初開催され、今年で14回目。SHOW-YAはもちろん、島谷ひとみ(38)浅香唯(49)永井真理子(52)相川七瀬(44)ら総勢26組51人の女性アーティストが参加した。とにもかくにもSHOW-YAのボーカル、寺田恵子(55)のパワーにあふれまくったイベントで、オープニングから出ずっぱり。大きく胸元の開いた露出度高めのボンデージ風の衣装だったが、冒頭から「準備はいいかー!」とほえるなど、4月にしては冷える屋外の空気をものともしないくらいパワフルだった。

寺田は、平成ヒット曲を振り返る企画に登場したLiLiCo(48)と、モーニング娘。の「LOVEマシーン」やAKB48の「ヘビーローテーション」を振り付きで披露。浅香とは「C-Girl」をデュエットした。個人的なハイライトは、寺田が阿佐ケ谷姉妹のコント中に乱入し、3人でネタを見せたシーン。「日比谷三姉妹でした!」と、並んであいさつしたのも楽しかった。

午後3時の開始から20時の終了まで、寺田はステージを終えた全アーティストと舞台でトークし、コラボステージに立ち、SHOW-YAとしても5曲を歌った。メディア対応のために姿を見せた寺田は想像以上に小柄で、一体どこからあのパワーが…と驚かされた。「デビュー当時は女バンドが世の中にいなかったので、人前でたばこを吸ってはいけないとか、彼氏を作ってはいけないとか、今のアイドルみたいに言われましたね」と過去を振り返ったが、「実際はどうだったのか?」との質問には「彼氏? だってあたし切らしたことない」。切り返しもまたロックだった。

SHOW-YAは世代的にもジャンル的にもなじみがなかったが、純粋に楽しんでしまった。この仕事をしていると、自分の興味だけで生きていては知らない情報が毎日のように更新されていく。大変でもあり、楽しくもある。【遠藤尚子】