歌手南こうせつ(70)が11日、東京・日比谷野外音楽堂で、92年から毎年開催しているコンサート「第28回 南こうせつGREEN PARADISE」を開催し、長渕剛(62)がサプライズ出演した。

長渕の出演はこうせつにも極秘だった。アンコール1曲目が終わると、スタッフが耳打ち。こうせつは笑いながら「今飛び込んで来たヤツがいる。長渕剛!」と言うと、3000人の観客は総立ちとなり大歓声がわき起こった。

長渕はデビュー直後の78年に、こうせつのツアーの前座を任されたり、「順子」ヒットのきっかけとなったラジオ番組「オールナイトニッポン」のコーナーも任された恩人。「こうせつ先輩に『前座に回れ』って言われて約60カ所。こうせつも優しかったし、懐も大きかったし、何よりもこうせつを大好きなファンのみなさんに、本当に温かく育ててもらった。今日はもう、来ないわけにはいかないと思って」とあいさつ。「こうせつの歌を歌います。本人目の前で歌うんだから、結構しびれるモノがあるね」と笑いながら「夢一夜」を熱唱した。

長渕が歌い終えると、こうせつは握手の手を離さず興奮しながら「もう1曲『乾杯』歌ってもらう」。長渕は「オレの同期なんだけど、世良!ギター弾いてくれ!」と叫び、ゲスト出演していた世良公則(63)もステージに呼び出した。

歌いながらコードの打ち合わせをする即興演奏。長渕は2番のサビをこうせつに譲ると、最後は「こうせつに幸せあれ~」と絶叫し、サングラスを取って肩を寄せ合い握手。「サマーピクニック行くぞ~!」と、今年9月28日に開催されるこうせつ主催ライブへの出演も予告。こうせつは「忘れるなよ!」と叫びつつ、40年来の弟分の突然の登場に、感無量の面持ちだった。【大井義明】