NHKは17日、放送総局大型企画開発センターのチーフ・プロデューサー阿部博史容疑者(41)が2月に都内で、女性にわいせつな行為をしたとしてこの日、強制わいせつの疑いで逮捕されたと発表した。同容疑者はAI(人工知能)を活用した特集番組を制作していた。

警視庁練馬署によると、逮捕容疑は2月23日午前1時半ごろ、東京都練馬区の歩道で、徒歩で帰宅途中だった40代女性の肩をつかんで押し倒した後、わいせつな行為をした疑い。女性にけがはなかった。同署によると同日、帰宅した女性から110番があり、捜査していた。阿部容疑者は東京都町田市在住。調べに対し「記憶がないので分かりません」と否認しているという。局関係者によると事件当日の同時間帯は業務時間外だった。逮捕までの約4カ月間について「通常通り勤務しており、変わった様子はなかった」という。

04年NHK入局。「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」などで、東日本大震災などの震災ビッグデータやAI活用をテーマにした大型特集番組を制作、局内評価も高かった。AIに関する著書もある。

17年から今年4月まで計4回放送されたマツコ・デラックスと有働由美子が出演したドキュメンタリー「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」も手がけ、自身も番組に出演して解説した。同番組に登場する「AIひろし」は同容疑者が開発。「博史(ひろふみ)」の名から「ひろし」となった。NHK広報局は「職員が逮捕されたことは遺憾。事実関係を確認し、捜査に協力していく」とコメントしている。