吉本興業は24日、反社会勢力の忘年会などに出席していたお笑いコンビ、雨上がり決死隊の宮迫博之(49)ら所属芸人11人を当面の間、活動を停止し、謹慎処分にすると発表した。「闇営業」をし、否定していた金銭授受を認めたことを理由にしている。また、ワタナベエンターテインメントも同会に出席していた所属お笑いコンビ、ザブングルの松尾陽介(42)加藤歩(44)を当面、謹慎処分とすると発表した。

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宮迫博之や田村亮は吉本興業による今回の謹慎処分で、結果的に「うそ」をついていたことになってしまった。宮迫は当初「ギャラはもらっていない」と明言、田村もその趣旨の説明を周囲にしていた。しかしこの日のコメントで宮迫は「間接的ではありますが、金銭を受領していた」とし、田村は「虚偽の説明をしてしまった」とギャラがあったことを認めた。

謹慎期間は「当面の間」で具体的ではない。ただ、早期復帰は厳しいとの声が芸能界では強い。少なくとも来年3月ごろまでは復帰は難しいとみられ、放送関係者は「周囲は年内いっぱいで復帰してほしいでしょうが『うそ』をついた形になり、難しくなったと思われる。放送業界もコンプライアンスが厳しくなった。おめでたい来年の正月番組に反社会的勢力と関係のあった芸人が登場することは各局、避けたいはず。少なくとも来春改編期までの謹慎は余儀なくされるのでは」と指摘している。

宮迫は人気も稼ぎも別格で、後輩芸人にとって気のいい頼れる兄貴的存在。芸能関係者は「約5年前、イベントに宮迫がサプライズ登場した。かわいがっていた芸人が出演しているのを、近くのビアガーデンにいた宮迫が聞きつけ駆けつけた。その時はノーギャラだったと聞く。イベントは大いに湧いた」と証言した。

宮迫は、91年に大阪の若手芸人で結成されたユニット吉本印天然素材(天素)メンバーとして東京進出。天素はブレークせず、メンバーだったナインティナインが人気に。天素は99年に解散した。宮迫は14年、テレビで当時を「死ぬことも考えた」と振り返った。

お笑い関係者は「ナイーブで優しい人。今回の件も、人脈が売りの後輩入江をバックアップするつもりからのことかもしれない。それだけに、反社会的勢力に気を使わなかったのが悔やまれます」と話している。

宮迫は17年8月、モデルとライターとの二股不倫疑惑を週刊文春に報じられた。直撃取材を受けた際「白か? 黒か?」と問われ「オフホワイトです」と笑いに変えた。今回の黒い相手との交際は、笑えない。