大麻取締法違反(所持)の罪で起訴された元KAT-TUNメンバー田口淳之介被告(33)と元女優小嶺麗奈被告(38)の初公判が11日、東京地裁(長池健司裁判長)で開かれ、2人とも起訴事実を認めた。ともに交際継続の意志を明らかにし、小嶺被告は「結婚したいと思います」と話すなど“法廷プロポーズ”が繰り広げられた。検察側は2人に懲役6月を求刑して即日結審。弁護側は執行猶予を求めた。判決は30日。

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ブラウスに緑のパンツ姿の小嶺被告が先に入廷、黒スーツにネクタイ姿の田口被告が続いて入った。向かって左に田口被告、右に小嶺被告が並び、起訴事実について「間違いありません」とそれぞれ認めた。冒頭陳述では、検察官から押収された大麻を見せられ「2人のものですか?」「もういりませんか?」との質問に、2人が「はい」と答える場面もあった。

起訴状によると2人は5月22日、同居していた世田谷区のマンションで乾燥大麻約2・296グラムを所持した。06年頃から交際開始。20歳の頃からパニック障害があった小嶺被告は、悪質ファンからの嫌がらせや過熱交際報道に09年頃から、睡眠障がい、摂食障がい、耳管狭窄(きょうさく)症などを患うようになったという。ストレスから逃れるため、20歳の頃にも使用した大麻を手にするようになり、その半年後には、小嶺被告から大麻使用を打ち明けられた田口被告も、好奇心から使い始めたという。

法廷内ではほとんど目を合わせなかった2人だが、ともに今後も交際継続する意志を明らかにした。16年3月末、田口被告がKAT-TUNを脱退し所属事務所を退所した直後には、田口被告からプロポーズもあったというが、小嶺被告は「彼の仕事とファンのことを考えるとマイナスになると思った」と当時、断ったという。交際について弁護人から問われると「交際を続けていきたいと思っています。続けられるなら結婚したいと思っています」。

田口被告も、弁護人からの同様の質問に「僕も彼女と一緒で、続けていきたいと思います」とした。さらに「彼女は今まで、私やファンの方に気を使って、自分自身をすりへらしていたと思う。それを分かっていて、自分の夢だとか、これで(芸能界で)生きていくと、彼女に真摯(しんし)に向き合えていなかった。僕自身の責任だと思う。これからはお互い違法薬物だという認識を持って、注意し合いながら生きていきたい」と、さながら“プロポーズ”のように話すと、小嶺被告も涙ぐんだ。

最後も並んで証言台に立った。田口被告は「お世話になっていた方やファンの期待、そして自分自身の夢を裏切ることになった。二度はない。更生して、まっとうな人生を歩みたい」。小嶺被告は「精神的にも肉体的にも強くなって生きていきたい。申し訳ありませんでした」と話して、退廷した。【大友陽平】