闇営業問題で謹慎処分中だったお笑いコンビ、雨上がり決死隊宮迫博之(49)の契約解消が19日、所属の吉本興業から発表された。

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反社会的勢力相手の闇営業で金銭を受け取った上に虚偽の釈明、さらに金塊強奪事件主犯格との酒席を共にしたことで宮迫は引退に追い込まれた。自業自得の結果だが、当初から事の大きさを認識していなかったのではないか。ほとぼりが冷めれば、復帰できると考えていなかったか。

最後は復帰への第1歩となる、謝罪会見の打ち合わせをドタキャンした。会見でさらし者になるのを恐れたようだ。

28年前、日本テレビで雨上がり決死隊、ナインティナインなど大阪で人気の若手10人のユニット「吉本印天然素材」の冠番組が始まった。その後、大ブレークしたナイナイ以外の芸人は、東京撤退を余儀なくされた。宮迫は、自殺も考えたという。後年、矢部浩之を取材した際に「天素は雨上がりを売るためのユニット。宮迫さんは責任を感じていた」と明かした。

5年前に日刊スポーツ主催の「神宮花火大会」前夜祭が開かれた。主役は友近ふんする演歌歌手水谷千重子。近くで飲んでいた宮迫がフラリと現れ、サプライズでステージに上がり盛り上げてくれた。ノーギャラだった。繊細で優しい男。記者会見で誠意を見せて、説明責任を尽くしてほしかった。【小谷野俊哉】