ダウンタウン松本人志(55)が21日、コメンテーターを務めるフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜午前10時)に生出演し、吉本興業に対して「芸人ファースト」を訴えた。

19日に収録済みも、20日に行われた、雨上がり決死隊宮迫博之(49)とロンドンブーツ1号2号田村亮(47)の会見を受けて急きょ生対応。これまでの会社の対応に疑問を呈した。吉本興業の岡本昭彦社長(52)もVTR出演し、会見することを明言。その後同社は22日午後2時から会見することを正式に発表した。

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松本は生放送での対応について「(会見が)思ったよりハードで無視できないと思った」と説明した。「僕の知らなかった事実があまりに多くて。これは僕もだまされた」と吉本興業への不信感をにじませる。その上で、騒動の発端となる「ギャラを受けとっていない」とうそをつき、泣きながら会見した宮迫と亮に「急に悪から善になるわけじゃない」とくぎを刺すことも忘れなかった。そして「ここまで追い込んだら信頼関係がなくなる。吉本興業はつぶれるんじゃないかと危機感を持っている」と表情を曇らせた。

宮迫と亮が懇願したにもかかわらず、岡本社長に会えない。さらに会見できないことに「時代を全然、読み間違えている。吉本興業は日本の人を楽しませる会社なのに、この2カ月は全然面白くない。僕は吉本というか、お笑いが好きなんで憤りを感じる。これは宮迫と亮じゃなくて、僕の問題。許せない」と怒りを見せた。

岡本社長が芸人に対して「俺にはお前ら全員をクビにする力があるんだ」と言い放ったことについて、松本は「いつからそんなに偉くなったんだ。会社って『芸人ファースト』でしょ。芸人が金を受け取ったことを認めたら『静観します』と。そしたら吉本にはおられない、いたくない」と自らの進退も口にした。

前日20日夜には吉本興業東京本社に東野幸治(51)と出向き、大崎洋会長(65)岡本社長と話し合った。「会社が変わらなければいけない。岡本社長に会見させなければ、この会社がダメになる」と主張。事件を起こした芸人たちを引き取るべく「吉本興業の中に松本興業を作りたい」と提案して、会社側も受け入れたという。そして「さんまさんも同じようなことを言ってるみたいなので、なら僕が、さんまさんのところに行ってもいい」とボケた。

岡本社長がVTRで騒動を謝罪し、今日22日に会見することを明言した。松本は、岡本社長と宮迫、亮が話す会合を、岡本社長が約束したことも明かした。そして「岡本社長と乳首相撲で解決できたらいい。乳首相撲は全てを解決する」とボケた。岡本社長について「元マネジャーだけど、20年くらい前から言葉遣いが横暴になって、大崎会長にも指摘した」という。ただ、大崎会長については「僕は大崎洋とずっとやってきたので、大崎が『進退も考えなくちゃ』と言ったのを止めた。兄貴なんで大崎会長がいなかったら僕も辞める」と断言した。

今日22日の会見次第では、岡本社長の進退も問われる。松本が大崎会長を慰留し、岡本社長を非難したことも大きい。吉本の創業者・よしもとせいの口癖は「芸人さんのおかげやで」。原点に返って「芸人ファースト」を貫くことが肝心だ。【小谷野俊哉】