吉本芸人も混乱が続いている。極楽とんぼの加藤浩次(50)が26日、司会を務める日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜、午前8時)に出演し、闇営業問題騒動で、対応を批判していた吉本興業の現体制の改革案を見守る姿勢を示した。「経営陣が変わらなければ辞める」と情報番組の生放送で発言したことを謝罪した。吉本所属のナインティナイン岡村隆史(49)が26日未明のラジオ番組で加藤に「冷静に」なるようとたしなめた経緯も明かした。

「スッキリ」では冒頭、前日25日に吉本が経営アドバイザリー委員会の設置を発表したことを紹介した。加藤は「実際どう変わるか考えなきゃいけない。いろんな意見があり、時間がかかると思う。僕も意見できるならさせてもらう」と、現経営陣の進める改革を見守る姿勢を示した。

これまで経営陣が変わらなければ吉本興業を辞めると発言したことに「僕が発言したことで事が大きくなっているのはおわびと謝罪をしたい。ここまで大きくなってしまっているというのは…」と神妙に語った。

ただ、自身が司会を務める情報番組の生放送で「辞める」と発言した意味は重い。世間から注目が集まり、23日には自身の退社をかけて吉本興業トップの大崎洋会長と直談判。岡本昭彦社長とともに経営陣の刷新を迫ったとされる。この日も「覚悟して言ってます」とあらためて主張し「俺は出ていくから関係ないとは思ってない」と語った。

26日未明には、加藤とフジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」などで共演した岡村がニッポン放送「ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン」(木曜深夜1時)で、「今回の件で加藤浩次が辞める必要性なんてどこにもない。関係ない」と訴えた。「加藤浩次は辞めません。吉本の人間も辞めさせないと思います」と断言。加藤には「冷静になりなさい」と話したとし「ランナーズ・ハイに似たワイドショー・ハイなんですよ」と、加藤の状態を表現した。

加藤は26日夜、相方の山本圭壱(51)がMCを務める宮崎サンシャインFM「極楽とんぼ山本圭壱のいよいよですよ」(金曜午後10時)に生出演。山本から「どうなってるの? 吉本さんと?」と突っ込まれると加藤は「ああいう発言をして、あのときは熱くなる部分があった。今後どうなるのか…和解になるのか分からないけど、時間をかけていきたいと思います」。

さらに「辞める」という発言も、事前に山本に相談しておらず「山本の存在を忘れていて言った後に『アッ!』って思った」。放送後には山本に「俺、吉本辞めるかもしれない。申し訳ない」とメールを送ったという。

岡本社長の会見から一夜明け、激高して経営陣と戦う姿勢を見せていた加藤が一転、“軟化”した背景には、何があったのか。岡村らの人気芸人や関西のベテラン芸人からも疑問の声が上がっている中での軌道修正なのか。加藤の去就も含めて、若手芸人の動向は極めて流動的だ。

◆加藤浩次の「辞める」発言 22日放送の日本テレビ系「スッキリ」で、宮迫博之、田村亮の20日の涙の会見の映像後、加藤は「こんなところまで追い込んでしまったんだ。ここまでやる会社に憤りと怒りを感じています」と声を荒らげた。そして「大崎(洋)会長にも責任がある。役員も代わらなければいけない」と経営陣の責任を追及。「大崎さんと岡本さんを怖がっている」と社内の風通しの悪さを指摘し、「この体制が続くなら俺は辞める」と強い覚悟を示した。