昨年末でタレント活動を引退し、ジャニー喜多川氏(享年87)からジャニーズJr.の育成やプロデュース業などを引き継いだ滝沢秀明氏(37)が、プロデューサーとして本格的に手腕を振るっている。

7月9日に社長のジャニー氏が亡くなり大きな柱を失ったジャニーズ事務所で、新たな時代を築こうとしている。

ジャニーズJr.のライブや舞台のリハーサルに顔を出し、アドバイスや指導を積極的に行っている。現在、東京ドームシティホールで開催中のライブイベント「Summer Paradise 2019」も同様だ。同イベントに出演しているジャニーズJr.内ユニットSnow Manのラウール(16)が、滝沢氏のエピソードを明かした。

「メンバーそれぞれのソロコーナーみたいなパートがあるんですが、僕は、あえて“ちょっと外す”というか、作り込んで、『こういう要素もあるんだぞ』というのを見せようとしていたんです。リハーサルでパフォーマンスを披露したら、滝沢くんから『多分、披露する曲から変えたほうがいいね』って言われたんです」

本番数日前のリハーサルで、楽曲から変えることになり、驚いたという。実際に楽曲を変えてみると、より自分でも納得できるものが出来上がったという。本番直前や、本番中の大きな演出変更は、生前のジャニー氏の真骨頂でもあった。

「滝沢くんには『今ラウールは、羽ばたいていく瞬間の、一番大事な時期だと思う。今はストレートな自分の良さを前面に出したほうがいい』って助言されました。自分としても『確かに、“遊び”を入れてる場合じゃないな』と思いました。結果的にすごく満足できるものになって。滝沢くん、やっぱりすげーな! って思いました」

ジャニーズJr.以外でも、A.B.C-Zの主演舞台「ジャニーズ伝説2019」(10月7日初日、東京・日生劇場)では演出補佐を担う。ジャニー氏が作・構成・演出を手がけた舞台だが、メンバーたちは、滝沢氏のサポートが決まり、安心しているという。

制作発表の際、滝沢氏とのエピソードを聞かれた戸塚祥太(32)は、滝沢氏が主演する舞台「滝沢歌舞伎」での共演を振り返った。

「派手な殺陣のシーンで、自分自身もステージで激しく動いているのに、リハーサルの合間に僕のパートについて指摘していただいたんです。『えっ、どのタイミングでどこから見ていたんだ? 後頭部にも目がついているんじゃないか』と思いました。視野の広さが人間超えているんですよ」

塚田僚一(32)は「以前、滝沢くんの舞台で遅刻した時、『男は24時間仕事だからな!』って言っていただたいたのを覚えています」と振り返る。河合郁人(31)は、「『タッキーのバックについた人は、みんなデビューできる』っていう歴史があるんです」と明かした。

滝沢氏は、ジャニー氏のイズムを継承しながら、持ち前のストイックさと視野の広さで、新たな道を切り開いていきそうだ。【横山慧】