フジテレビ系アニメ「サザエさん」(日曜午後6時30分)のフグ田マスオ役、日本テレビ系アニメ「それいけ!アンパンマン」(金曜午前10時55分、関東ローカル)でジャムおじさん役を務めてきた声優の増岡弘(82)が、高齢を理由とした本人からの申し出により、2つの番組から卒業することを5日、両局が発表した。

後任は、マスオが田中秀幸、ジャムおじさんは山寺宏一が務める。増岡の出演は、マスオが18日放送分、ジャムおじさんが9日放送の第1464話「アンパンマンとはみがきこちゃん/フランケンロボくんとちゅらおばあ」が最後となる。増岡は、マスオ役を78年6月から40年以上、ジャムおじさんも30年以上務めてきた。

マスオ後任の田中は「このたび増岡弘さんから、フグ田マスオ役を引き継がせていただくことになりました。これまで同様、皆様に愛されるマスオでいられるよう、精いっぱい演じさせていただきます。よろしくお願いいたします」とコメントを寄せた。

「サザエさん」のフジ渡辺恒也プロデューサーは「78年6月11日の放送以来41年間、マスオさん役を演じ続けてくださった増岡さんに、心から感謝申し上げます。いつも穏やかで優しいマスオさん像を作り上げてくださって、本当にありがとうございました」と感謝。「3代目のマスオさん役は、これまでにもさまざまな役を演じてこられ、幅広い表現力に定評のある田中秀幸さんにお願いすることになりました。オーディションを行った中で、マスオさんのいろいろな場面での感情表現を、バリエーション豊かに演じていただける確信を持ち、スタッフ満場一致で決定しました。これまでのマスオさんのキャラクターを引き継ぎつつも、田中秀幸さんならではの新しいマスオさん像を作っていってくださることを期待しています」とコメントした。

ジャムおじさん後任の山寺は「増岡弘さんは演技だけでなく、そのお人柄も含めてジャムおじさんそのものです。代われる人などいません。でも30年以上、その優しさと温かさにふれてきた者の一人として、少しでも増岡さんのジャムおじさんに近づけるよう、精いっぱいつとめさせて頂きます」と敬意を示した。

アンパンマンの日テレ高橋雄一プロデューサーも「ジャムおじさんがパンに命を吹き込むように、増岡さんには番組に、愛と勇気を吹き込んでいただいてきました。30年以上の長きに渡り『それいけ!アンパンマン』を支えていただき、心より感謝申し上げます。収録スタジオでお会いできないのは寂しいですが、これからも増岡さんに安心して観てもらえるような番組作りをして参ります」とコメントした。