ザ・ドリフターズのメンバーでタレントの志村けんさんがコロナウイルスによる肺炎のため亡くなったことが30日、分かった。死去を受け、けんさんの遺族が東京・東村山にあるけんさんの実家前で取材に応じた。

実兄の志村知之さん(73)は「高校を出てボーヤ(付き人)から始まって、一流の芸能人になった。一生懸命頑張ってきたから、ゆっくり休んで欲しい」と声をつまらせた。

先月25日に開いたけんさんの古希祝いが最後の対面になったと明かし、「麻布十番のいきつけのおすし屋さんで、10人くらいでやったんです。その時が最後になってしまった。本人も喜んでました」。来年古希を迎える知之さんの妻サヨ子さん(69)は、けんさんが祝いの席で紫色のちゃんちゃんこを着ていた思い出を振り返ると「『来年はこれを回そう。お前の番だ』と言っていたのに、かなわなかった」と悲しんだ。

けんさんは新型コロナウイルスに感染したため、入院中も対面できなかったという。知之さんは「病院に行っても会えない。顔も見られていない」、サヨ子さんも「コロナがこんなにひどいことになるとは。本人もさぞかし悔しいだろうと思う」と声を震わせた。

16年に一度肺炎を患ってからは、1日3箱吸っていたたばこを止め、酒量も減らしていたという。知之さんは、けんさんが大みそかの集まりで「『来年はNHK(朝ドラ)と映画(キネマの神様)があるから頑張らなきゃ』と言っていた」といい、「(3兄弟の)一番下がこんなことになっちゃうとは。何で先にいっちゃったんだろう」と弟の早すぎる旅立ちに涙を拭った。

またお別れ会の開催については「(新型コロナが)静まった頃に」と話した。