サッカー元日本代表MF中田英寿氏(43)が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて不要不急の外出自粛が広がる中、苦境に立たされた飲食業界を救う。

同氏が立ち上げた、日本文化再発見メディア「にほんもの」公式サイトで、18日から農家、酒蔵、工芸家などの生産者を応援する新たな動画チャンネル「にほんもの Chef's Table」の配信がスタートする。その第1弾企画として、日本のトップシェフによる、日本酒と一緒に楽しめる家庭料理のレシピを紹介していく。

「にほんもの Chef's Table」は、政府が緊急事態宣言を発令し、各自治体が不要不急の外出自粛を呼びかける中、中田氏が「苦境にあえぐレストランや酒蔵を助けたい」とアイデアを出したところから始まった。第1回は、09年から継続してミシュラン三つ星を獲得し続ける東京・神楽坂の和食店「石かわ」の店主・石川秀樹氏が登場。同シェフが考案した、家庭でも作ることが出来るレシピを公開。今回は奈良県の酒蔵「今西酒造」の銘酒「みむろ杉」に合う料理として、旬の桜エビを使った「ほうれん草とたけのこ 桜えびのあったかいおひたし」を紹介する。

中田氏はワールドカップ・ドイツ大会後の06年7月3日に現役を引退後、世界約90カ国、150以上の都市を旅し続けてきた。その中で、日本文化が世界から評価され、価値が高まっていることを感じたと同時に「僕は日本の文化を何も知らない」と、悔しさに近い思いを抱いたという。

そして、09年春からの日本全国47都道府県を巡る旅を始め、日本国内1600カ所以上を巡って文化、伝統、農業、物作りに直接、触れて体験してきた。その中で「10年くらい日本全国を回ってきて、本当に素晴らしい生産者、素晴らしい工芸家、いろんな方を見てきて、こんな楽しいものがある」と感じたという。

「にほんもの」は、中田氏が全国47都道府県の旅で出会ったヒト、コトを“伝統工芸・食・酒・神社仏閣・宿”などのジャンルに分けて紹介。日本文化を多くの人が知る「きっかけ」を作り、新たな価値を見いだすことにより、文化の継承、発展を促すことを目的としている。