22歳の若さで23日に亡くなった女子プロレスラー木村花さんが出演していたフジテレビ系の恋愛リアリティー番組「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」(月曜深夜0時25分)の打ち切りが27日、同局と制作会社のイースト・エンタテインメントから発表された。

木村さんには放送内容のことで、ネット上で誹謗(ひぼう)中傷が寄せられていた。25日の放送は中止に、ネットフリックスでの先行配信も26日、6月2日は休止になっていた。

フジテレビとイースト・エンタテインメントは「この度、番組に出演されていた、木村花さんがご逝去された事について、あらためてお悔やみ申し上げます。またご遺族の方々にも深く哀悼の意を表します。尚、『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』に関しましては、今後の収録及び放送、FODでの配信を中止することを決定致しました。この度のことを重く受け止め、今後も真摯に対応して参りたいと考えております」とコメントを発表した。

「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」は、昨年5月からネットフリックスで先行配信が開始され、同7月からはフジテレビでも放送が始まった。

男女3人ずつ計6人が1つの家で共同生活することで起きる様子を記録する。共同生活終了は、出演者が自己申告の後に退去していく。退去した出演者の後は、新たな入居者が登場して、新たな人間関係、ストーリーが展開していく。木村さんは昨年9月から入居していた。

「台本がない」という設定で、家と車2台のみが提供されている。出演者間のトラブル、恋愛模様などがリアルに描かれ、それについて山里亮太らスタジオ出演者が感想を述べる。シリーズ第1弾は12年10月に始まり、映画化もされるなどフジテレビの人気コンテンツになっている。

◆木村さん死去をめぐる経緯 3月の先行配信後、木村さんへの誹謗中傷は一時沈静化のきざしもあった、5月18日深夜にフジテレビ版で同番組第38話が再び放送されたことで、また高まっていたとみられる。木村さんは23日未明にツイッターに「弱い私でごめんなさい」などと投稿。同日午後、スターダムから死去が発表されネットフリックスとフジテレビが配信、放送休止を発表した。25日、木村さんが「ごめんなさい」な」どのメモを残していたことが判明。警視庁は自殺とみて調べている。SNS上での誹謗中傷を問題視する声が高まり、26日には高市早苗総務相が投稿者の特定を容易にし、悪意ある投稿を抑止するための制度改正を検討する意向を示した。

◆木村さんがSNSで激しく誹謗中傷された3月末にネットフリックスで先行配信され、5月18日にフジテレビで放送された38話の「テラスハウス」のシーン プロレス用衣装を洗濯機に放置していた間に、同居男性が自身の衣類と一緒に衣装を乾燥し、縮ませてしまった。木村さんは「人のこともっと考えて暮らせよ」と憤り、男性の帽子をはたき落とした。