今年7月に亡くなった三浦春馬さんが主演する予定だった日英共同企画・新作オリジナルミュージカル「イリュージョニスト」が来年1月後半に東京・日生劇場で上演されることが3日、同舞台の公式サイトで発表された。主人公の幻影師アンゼンハイムは、皇太子役の予定だった海宝直人(32)が演じる。

三浦さんが熱望した作品だった。日本と英国の共同企画で、12月から来年1月に上演される予定だった。昨年、三浦さんは英国人の演出家トム・サザーランドらが来日して行われたワークショップにも参加し、三浦さんのミュージカル俳優としての実力を世界に見せる舞台になるはずだった。主催者側は長い協議を重ねた結果、三浦さんがこの作品に注いだ情熱を受け継ぎ、三浦さんの思いとともに世界に羽ばたくための第1歩として上演を決めたという。

主演を引き継ぐ海宝は「ワークショップで三浦春馬さんと言葉を交わし、せりふのやりとりをしたことは俳優としてかけがえのない経験です。この作品に並々ならぬ努力と情熱と愛情を注いでいた春馬さんの思いも胸に、この作品を最高の形で皆様にお届けできるように全力で作品と向き合っていきたい」とコメントしている。

皇太子役として成河が新たに参加するほか、公爵令嬢ソフィに愛希れいか、ウール警部に栗原英雄、興行主ジーガに濱田めぐみが予定通り出演する。愛希は「春馬さんに負けない情熱をこの作品に注ぎたい」、栗原は「見守ってくれるかい? 私たちの歩みを」、濱田は「『ようやく共演できるね』の約束通り、舞台上ではあなたの情熱と愛とエネルギーを感じながらカンパニー一同、客席の皆様も一体になって全員で大成功させよう」と、三浦への思いを胸に秘めて舞台に臨む。

演出のサザーランドも「彼をあれほどワクワクさせていた『イリュージョニスト』を必ず作り上げよう、と決心しています。このプロジェクトに対する彼の興奮は、人に元気を与え、周りにも伝染するものでした。彼とのコラボレーションと思い出を胸に、日本にとって大事な一作となる新作ミュージカルを作っていきます」と誓った。