1971年(昭46)のアルバム「回帰線」などで知られる、フォークシンガー南正人さんが7日夜、横浜市内のライブハウスでライブ中に意識を失い、亡くなったことが8日までに分かった。76歳だった。南さんのライブの予定を告知するフェイスブックが明らかにした。

同フェイスブックによると、南さんは横浜市西区のライブハウス「横浜サムズアップ」で7日午後7時半に演奏を始めたが、同7時45分ころにステージで意識を失い、同8時45分に救急搬送された。死亡確認は午後11時2分にされたという。同フェイスブックは「悲しいお知らせをしなくてはなりません。ナミさんは今夜、ライブ中に意識不明になり病院搬送され家族立ち会いの元死亡が確認されました」「ステージ上でもう息は引き取っていたそうです」と南さんの急逝を報告した。

南さんは1944年(昭19)に東京に生まれ、東京外語大外国語学部スペイン語科在籍中の64年に大学を休学し、メキシコを経てアメリカ、ヨーロッパ各地を2年間旅した。ボブ・ディランと出会ったことを機に帰国した後、遠藤賢司さんらとフォーク集団「アゴラ」に参加。69年には初シングル「ジャン/青い面影」をリリース。サンバやレゲエなどを日本でいち早く取り入れた音楽家とも言われ、71年にリリースした初アルバム「回帰線」は忌野清志郎さん、泉谷しげるら多くのミュージシャンに影響を与えた。