乃木坂46が、デビュー9周年を記念した「1期生ライブ」と「2期生ライブ」を生配信した。28日に行われた「2期生ライブ」では、堀未央奈(24)が卒業。ラストは先輩や後輩も大集合するサプライズがあり、涙した。荒波にもまれた激動のアイドル生活にピリオドを打った。29日の「1期生ライブ」では、「坂道」グループの礎を作ったレジェンド世代が躍動した。

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アンコールの「アナスターシャ」で、サプライズが待っていた。8年間ともに活動した2期生7人から身を寄せられた堀が、しみじみとした雰囲気で歌いきろうとした終盤。ステージ後方から、乃木坂46のメンバーたちが続々と登場した。後輩の4期生と3期生、先輩の1期生たちが、次々と堀に目を合わせた。「まさかみんなが来てくれると思わなかった」。目を真ん丸に、顔を真っ赤にして、大泣きした。

まさに激流のようなアイドル生活だった。13年3月に2期生として乃木坂46に加入。同年11月発売のシングル「バレッタ」で、いきなりセンターに大抜てきされた。だが、15年にはシングル2作連続で選抜メンバーからも外れた。「毎日少しずつ落ちていく、そんな自分を見ていく毎日でした。乃木坂を辞めようかなと思った時もありました」。ジェットコースターのように、感情を揺さぶられた。

それでも、強い精神力と、持ち前のマイペースな魅力でグループの中心メンバーの1人へと成長した。後輩の梅澤美波(22)からは「ブレない軸を持っていて格好いい。一緒に活動した4年半、未央奈さんの弱さを見たことがなかった」と憧れられた。つらい時に支えられた同期たちからメッセージを贈られると「アイドルグループで、親友という存在ができるとは思っていなかった」と涙した。

卒業後は、所属事務所乃木坂46LLCから離れ、主に女優として活動していく見込み。サプライズで読まれた母親からの手紙では、ソロ曲のタイトルにちなんで「もう1度『冷たい水の中』に飛び込もうとしている未央奈を、これからも見守っていくよ。あの頃よりも強くなったから、きっと大丈夫」とエールを贈られた。大団円で終わった8年間のアイドル活動を糧に、芸能界の荒波の中で再び成功をつかむ。【横山慧】