俳優田中圭(36)が、鈴木おさむ氏(49)作・演出の舞台「もしも命が描けたら」(8月12日開幕、東京芸術劇場プレイハウスなど)に主演することが1日、分かった。田中と鈴木氏が舞台作品でタッグを組むのは3度目で、田中は「おさむさんとの仕事は僕にとってすごく特別」と意気込んでいる。また、旬の音楽ユニット、YOASOBIがテーマ曲を担当することも明らかになった。

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田中と鈴木が舞台作品に取り組むのは、11年「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」、17年「僕だってヒーローになりたかった」に続き3作目。次期フジテレビ系月9ドラマ「ナイト・ドクター」への出演が発表されるなど映像作品に引っ張りだこの田中だが、年1回ほどのペースで舞台出演を継続。共に作品を作り上げることは2人とって重要な位置付けで「“鈴木おさむワールド”は僕にとって、『たまには帰りたいな』と無性に思える大好きな世界観」と田中。鈴木氏も「僕と組んだ時にしか出来ないような、田中圭の今の『果汁』を絞って絞って絞り切って皆さんにお届けするような舞台にしたい」と力を込める。

現代のファンタジーと言える物語で、田中演じる星野月人は画家の夢を諦めて命を絶とうとした瞬間、“ある力”を手に入れる。「誰かのために絵を描く」ことを通し、人のために生きること、愛することの意味を問いかける。出演者は3人のみの意欲作で、共演の黒羽麻璃央(27)は「3人だけのストレートプレーというのは大きな挑戦」、一人二役に挑む小島聖(45)は「プレッシャーや緊張感にただ耐えるだけでなく、それをいい形で作品に反映していきたい」と話す。

作品に関わるクリエーター陣も発表。テーマ曲を音楽ユニットのYOASOBI、世界観をビジュアル面から表現するアートディレクションを、写真集「美女採集」などで知られる清川あさみ氏(41)が担当。注目の面々が作品を彩る。

田中は鈴木氏の作品の魅力を「すごくわかりやすくて、シンプルな中に心に響くものがある。まるで『素うどん食え!』と言うような素朴さや飾らなさが、おさむさんの真骨頂」と表現。鈴木氏は「勝手に『戦友』だと思っている彼と『生きること』と『愛すること』をある意味ストレートにぶつける舞台にしたいと思います」と話している。9月に兵庫と愛知でも公演を予定している。

○…コンポーザーAyaseとボーカルikuraによるユニット、YOASOBIは、小説を原作に音楽を作り上げる。過去に、鈴木の小説「月王子」を元に楽曲「ハルカ」を制作するコラボを経験しており「またこのような形で関わることができて、とてもうれしく思います」。初めて舞台のテーマ曲を手掛け「再タッグを組ませていただくワクワクと、作品の胸をぎゅっとつかまれるような感動を、楽曲にも閉じ込められたら」と意気込む。田中も「YOASOBIさんが曲を作ってくださるというスペシャル感。絶対楽しいやつじゃん。とワクワクしてます」と期待を込めた。同ユニットは19年11月配信の「夜に駆ける」が大ヒットし、昨年大みそかのNHK紅白歌合戦に初出場した。