東京五輪の聖火リレーは6日、埼玉県に入った。戸田市では女優浜辺美波が聖火をつないだ。浜辺は組織委を通じて「人生に一度きりの特別なチャンスなので、楽しみながら大切な役割を果たしたい」とコメントを出していた。

浜辺が走行したドコモショップ戸田公園店では、リレーの様子を外からうかがえないよう、パーティションで仕切りが設けられた。NTTの広報担当者は「有名な方が来られるので、沿道での混乱を招かないためにこのような形で行いました」と説明。警察などが厳戒態勢を取ったが、会場周辺には浜辺をひと目見ようと多くの市民が集まった。警察は「ここにいても誰も見られません。あるのは感染リスクだけです」と、歩道にとどまる観客に呼び掛けた。

近くに住む住民からはさまざまな声が上がった。30代の会社員女性は「せっかく来たけど新型コロナの感染対策もあるから仕方がない。五輪は家で応援しようと思った」と話した。20代の男子大学生は「戸田を走るのはわかっていたので、実際に見られると思ってきたのに残念」と肩を落とした。

首都圏1都3県の公道でのリレーを巡っては、既に千葉、神奈川両県では中止され代替セレモニーが行われた。東京都は島しょ部を除き中止する方針。埼玉のみが公道でのリレーを予定している。県はネットでの観覧を呼びかけ、沿道の密回避に協力を求めている。【澤田直人】