東京オリンピック組織委員会の参与を務める、KADOKAWA代表取締役社長を務める夏野剛氏(56)が23日、ツイッターを更新し、インターネットテレビ局ABEMAで21日に放送されたニュース番組「ABEMA Prime」内での、自身の発言を謝罪した。

番組の中で、東京五輪の多くの競技が無観客開催であることについて、元経産省官僚で制度アナリストの宇佐見典也氏が「やっぱり、不公平感がどうしても出ちゃう。子供の運動会とか発表会とか、そういうのが無観客で行われているのに、何で五輪はOKなの? と。感染者数は米国の方が全然多いですし、日本は少なく見えるんですけど、そういう五輪だけ特別扱いするというふうに見られる国民性もありますし、こうなったらしょうがない」と言及した。

それに対し、夏野氏は「まぁ…これは、今年、選挙があるからという理由だけだと思いますよ。さっきの宇佐見さんの言っているね、公平感…そんなクソなね、ピアノの発表会なんか、どうでもいいでしょう、五輪に比べれば。それを一緒にする、アホな国民感情に、やっぱり今年、選挙があるから乗らざるを得ないんですよ」と反論。その上で「だから、Jリーグだってプロ野球だって入れてるんだから。五輪を無観客にしなければいけないのは、やっぱり、あおりがあるし、選挙があるから…そこに対して国民感情を刺激するのは良くないという、ポリティカルな判断に尽きると思います」と発言した。

夏野氏は、自身の一連の発言を踏まえ

「私のABEMAPrimeでの発言で、アホとかクソという言葉を使ったのは、番組の雰囲気に甘えた極めて不適切な発言でした。不快に思われた方々に心からお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。#アベプラ」

と不適切発言だったと認め、謝罪した。

ただ、ツイッター上では

「言葉の表現の問題だけではない」

「五輪とピアノの発表会を比較するのは問題」

「本質はどうなんだ?」

などの声が相次いでいる。

夏野氏は同番組の中で「(コロナの感染状況で)米国は全然、安全じゃないんで。英国だって感染者が増えていますから…それでも7万人入れたり、2万人入れたりしてるんで。まぁ…そのうち、誰かが金メダル取ったら、雰囲気は変わると思いますよ」とも語っている。さらに「コロナとか関係なく(前回、五輪を開催した)リオだって直前までリオなんか間に合うわけないと報道していました。メチャメチャだった。始まったら、もうみんな熱狂ですよ。そんなもんですよ、スポーツイベントは」とも発言している。22日にはツイッターで

「今朝からのテレビは手のひら返しの様相。さすがだな。来週の今頃は一体どうなってるんだろうw。」

ともツイートしている。そうした一連の発言、発信に対し

「手のひら返しはさすが」

という批判の声の一方

「正論だ」

との声など、さまざまな声がツイッター上で飛び交っている。