沢口靖子(56)が11日、東京・丸の内TOEIで行われた「科捜研の女-劇場版-」(兼崎涼介監督、9月3日公開)完成報告イベントで「自信作です。テレビドラマシリーズのスケールを大きくした世界観が出来たと手応えを感じました」と胸を張った。

一方で、劇中で激突する敵役を演じた佐々木蔵之介(53)から、ビデオメッセージの中で「取材で僕が怖かったと恐れられていた。睡眠が妨害されたと」と“暴露”されると、苦笑しつつ首を傾げる一幕もあった。

「科捜研の女」は、テレビ朝日系で1999年(平11)10月21日に放送がスタート。沢口演じる京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコと、内藤剛志(66)が演じ2004年のシーズン5からマリコと長年バディを組む、京都府警の土門薫刑事が科学を使って事件を解き明かす。約250回のドラマシリーズを積み重ねて映画となった。沢口は試写を見た感想を聞かれ「これは事件なのか事故なのか、犯人は、トリックは? とドキドキしながら見ました。魅力が全て詰まった集大成だと思いました」と語った。

沢口は、映画の中で、シリーズ史上最強の敵として科捜研の前に立ちはだかる天才科学者・加賀野亘を演じた佐々木が、ビデオメッセージの中で「沢口さんとは現場で、あまりお話しすることがなかった。取材で僕が怖かったと恐れられていた。睡眠が妨害されたと…僕は、そんな役者ではないんですけど」と語るのを聞くと笑みを浮かべた。そして「(佐々木と)最後、接近し…普段、京都弁で、すごくざっくばらんで面白い方なんですけど、役に入るとガラッと変わられて、のみ込まれそうになった。ちょっと離れていました。それ(睡眠妨害)は私は分からないです」と苦笑した。

この日は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、無観客でメディアのみを集めて行われた。沢口は「今日は1つ、夢がかない、1つかないませんでした。劇場版がついに完成し、ご報告できたのはうれしいのですが長年、応援し支えてくださったファンの皆様に直接、この場でお伝えすることが出来ませんでした。正直、残念でなりません」と本音を吐露。その上で「でも、私はつらい時こそ、諦めずに前を向いて歩いていこうと、マリコに背中を押されてここまで来ました。科学でより良い未来を切り開く…それがこの映画のテーマ。今は大変な時期ですが1人、1人の心がけ次第で、きっとすてきな未来がつかめるはず。9月には、ぜひ劇場で、皆さんの前に立って、ごあいさつできるように一緒にこの困難を乗り越えていきましょう。それまで、どうぞお元気でお過ごしください」と呼び掛けた。