日本テレビは27日、東京・汐留の同局で、定例社長会見を行った。

7日に放送された同局系「ザ! 世界仰天ニュース」(火曜午後9時)内で、「脱ステロイド」療法で症状を克服したと紹介した内容について、杉山美邦社長は「視聴者から多くのご意見、ご批判を頂きました。意見や批判を真摯(しんし)に受け止めてより良い番組作りに努めていきたいと思います」と話した。

問題になった7日のVTRでは、女性がステロイド薬を中止して肌荒れが回復したなどと紹介。日本皮膚科学会など6つの学会と1つの患者会から抗議文が提出され、14日放送の同番組内で謝罪していた。

編成担当の福田博之常務取締役は「日本皮膚科学会が認める診療ガイドラインには実は、存在していない脱ステロイド治療で克服したという表現を番組ではしております。この辺が、視聴者の皆様に誤解を招いたという反省点がございます。標準治療や診療ガイドラインをよく理解して放送しなければならない。それが重要なんですが、結果的に患者の皆様、その家族の皆様、治療につとめていらっしゃる医師の皆様にご心配、ご迷惑をお掛けしてしまったということでおわびいたしました」と説明した。

再発防止に関して、「かなり細かいところまで書き込んだ危機管理マニュアルが存在しているんですが、その読み込みを再度やるのが一番重要。あとは、医療監修については複数名でお願いすべきだったということ。特に標準治療のガイドラインの作成に従事した先生にお願いするのがベストなのかなという教訓を得ております。事前チェックは当たり前ですけど、医療内容を扱う放送に関しては、社内各部署に加えて、専門家の方に、ご依頼するということで進めております。チェックシートも作ろうと思っております。医療事案の知識を深めるために、医療関係の先生の研修も先週から実施しています」とさまざまな対策を明かした。