市川海老蔵(43)とお笑いコンビ、キングコングの西野亮廣(41)が初タッグを組んだ新作歌舞伎「プペル ~天明の護美人間~」が来年1月に東京・新橋演舞場で上演されることが4日、分かった。新橋演舞場が発表した。

原作は西野による絵本「えんとつ町のプペル」。ゴミから生まれたゴミ人間プペルと少年玄(げん=絵本ではルビッチ)の友情を描き、海老蔵がプペルを、玄を海老蔵の長女市川ぼたん(10)長男堀越勸玄君(8)が交互出演で演じる。海老蔵は玄の父熊八も務めるため、実際の親子が舞台上でも親子を演じる場面もある。衣装やかつらなど、歌舞伎らしい要素や演出を全面的に取り入れるという。

絵本もアニメ映画も見ているという海老蔵は「非常に感動いたしました『えんとつ町のプペル』を、来年のお正月に新作歌舞伎として上演できますことを大変うれしく思っております。西野さんとはご縁があり、『現代の世では難しくなりつつある、信念とともにあきらめない思いを歌舞伎として描きたい』と熱望させていただきました。皆さまに少しでも前向きな思いや勇気づけられましたらうれしく思います」とコメントしている。

ぼたんと勸玄君の交互出演については「親としては大役に心配ではありますが、今この瞬間の2人にしか描けない表現もあるかと思いますので、稽古に励んでいってほしいと思います」と期待を寄せた。

原作、脚本に加え、空間・美術演出を務める西野は「海老蔵さんから今回の企画の相談をいただいた時に『これ以上の適役はない』と思いました。主人公たちの物語と、海老蔵親子が背負った物語はあまりにも重なる部分が多すぎて、脚本を書きながら、ウッカリ涙しました。この物語を、1日でも早く皆様にお届けしたいです」と話している。

◆絵本「えんとつ町のプペル」 16年10月に発売され、累計発行部数は70万部を超えた。舞台は煙突が立ち並ぶ町。ゴミから生まれたゴミ人間が、少年ルビッチにプペルと名付けられ、仲良くなる。ルビッチは、煙の上には星がある、という父の言葉を信じている-。昨年、アニメ映画化され、今年11月にはミュージカルも控える。

○…海老蔵は新作歌舞伎に精力的に取り組んできた。昨年1月には秋元康氏作、演出の「雪蛍恋乃滝」を上演。13年に第1回が行われた自主公演ABKAIでは、昔話をベースにした新作歌舞伎などを上演している。さまざまな昔話の世界観を歌舞伎化した新作歌舞伎は、新橋演舞場でも上演されるなど広がりを見せてきた。