嵐の二宮和也(38)が、来年公開の映画「収容所(ラーゲリ)から来た遺書(仮)」(瀬々敬久監督)に主演することが17日、分かった。第2次世界大戦後シベリアの強制収容所で旧ソ連の捕虜となり、残酷な日々に絶望する状況下でも生きることへの希望を捨てなかった実在の人物、山本幡男(やまもと・はたお)を演じる。

作家辺見じゅん氏のノンフィクション小説が原作。1945年の終戦後、厳冬のシベリアが舞台。抑留された捕虜たちが過酷な労働の続く日々を送り、死者も続出する地獄の強制収容所で、山本は「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやってきます」と仲間たちに訴え続け、精神的支柱となった。終戦から8年、日本にいる妻からはがきが届くが、山本の体は病魔に侵されていた。時代に光をともすような“奇跡の実話”を描く。

16年の映画「64-ロクヨン-」などのヒット作で知られ、二宮と初タッグとなる瀬々監督は「山本さんら多くの人々を追い詰めてしまった状況を再び作らないよう、戦争の起こした悲劇がもう再び起こらないよう、思いを込めて映画に取り組んでいきたい。そう思っています」と力を込めた。

今月下旬から撮影が始まるという。二宮は「ただただ帰ることを想って、行ってきます」とコメントを寄せた。来夏公開予定の主演映画「TANG タング」で妻に捨てられたダメ男を演じることも発表されており、昨年末の嵐活動休止後、さらに俳優としての幅を見せていきそうだ。