数々のミリオンセラー曲を手掛けた“天才”ミュージシャンの目にうっすら涙が浮かんでいた。4日朝、詐欺容疑で大阪地検の取り調べが始まった音楽プロデューサー小室哲哉(49)。背中を丸めて力なく下を向き、一斉に光るフラッシュに少し苦笑したような表情を浮かべ、大阪地検の庁舎へ。一時代を築いた面影は見られなかった。

 小室は、白のTシャツに黒のパーカ姿。午前7時50分ごろ、大阪市内のホテルからワンボックス車に乗り込み、地検係官に両脇を挟まれるように後部座席に座った。やつれた様子で、目にはうっすら涙も。さかんに髪をいじり、悔しそうに唇をかんだ。

 約20分後、100人以上の報道陣が集まり、ヘリコプターのごう音が鳴り響くなか大阪地検に到着。一斉にフラッシュが光り、報道陣が車に駆け寄ると、垂れた前髪越しに軽く左右を見回し、口元を少しだけ緩めた。