日本人女優が主役として出演するイタリアの人気テレビドラマシリーズが21日までに始まった。番組の放送局によると、同国の連続テレビドラマの主役に日本人が抜てきされたのは初めてで、初回の13日夜には約23%、2回目の20日夜は同21%と、いずれも同時間帯で最高の視聴率を獲得した。

 出演しているのは市川純(26=熊本市出身)で、ドラマ「科学捜査研究所

 不完全犯罪パート5」(10回連続)でイタリア人の父と日本人の母を持つ科学捜査員を演じている。昆虫学を専門とし、遺体に付いた虫から犯行時期や犯人像を絞り込むクールな役柄だ。

 オーディションで数百人から選ばれた。放送局カナル5が日本人を選んだのは「ドラマに新鮮味を出すことが狙い」。虫に話し掛ける場面もあり、その際は日本語が使われた。

 市川はオペラ歌手だった日本人父母とともに8歳からイタリアで生活し、流ちょうなイタリア語を話す。外国人であることなどから現地の高校でいじめを受け、一時拒食症に陥ったことも。

 その後拒食症を克服。16歳から演劇の舞台に立ち2003年には映画にも出演、キャリアを重ねてきた。市川は「大きなチャンスをつかんだ。今後は日本でも映画やドラマに出演したい」と語っている。

 [2009年1月22日7時1分]ソーシャルブックマーク