ロックバンドRCサクセションのボーカルとして「雨あがりの夜空に」などのヒットを放った歌手の忌野清志郎(いまわの・きよしろう、本名栗原清志=くりはら・きよし)さんが2日午前0時51分、がん性リンパ管症のため東京都内の病院で死去した。58歳。東京都出身。葬儀は近親者のみで行う。一般の弔問を受け付ける告別式は9日午後1時から東京都港区南青山2ノ33ノ20、青山葬儀所で。喪主は妻栗原景子(くりはら・けいこ)さん。

 2006年7月、喉頭(こうとう)がんと診断されて入院。08年2月に東京都内で復活ライブを開催し元気な姿を見せた後、転移が見つかった。今年に入ってからも作曲活動をしていたが、最近病状が悪化し治療に専念していた。

 高校在学中にフォークグループ、RCサクセションを結成し1970年デビュー。72年の「ぼくの好きな先生」や76年の「スローバラード」などで人気を集めた。

 70年代半ばからは、エレキギターを導入してロックバンドに。シンプルな言葉でつづったメッセージ性の強い歌詞を独特の声で歌うスタイルが受け、「雨上がりの夜空に」「トランジスタ・ラジオ」(80年)や、ソロとして坂本龍一と共演した「い・け・な・いルージュマジック」(82年)などヒットを連発。派手な衣装と奇抜なメークも親しまれた。

 ステージ上で「愛し合ってるかい?」と叫ぶなどのトークが人気で、社会的な発言でも注目された。88年には反原発の曲を含むアルバム「COVERS」を所属レコード会社が発売中止。急きょ別会社から発売する騒ぎとなった。

 RCサクセションは91年に活動休止。90年代以降はソロで「パパの歌」をヒットさせたほか、演歌歌手坂本冬美やジャズミュージシャンらとジャンルを越えた音楽活動を続けていた。(共同)

 [2009年5月3日2時57分]ソーシャルブックマーク