歌手谷村新司(61)が3日、BSジャパン開局10周年記念番組「谷村新司

 ココロの巡礼~『昴』30年目の真実~」(18日午後8時放送)の制作会見を、同局で行った。80年の発表から30年を迎えた代表曲「昴」は、上海万博開幕式で披露されるなどアジアで広く愛されてきた。曲に込めた思いを、還暦を過ぎた今、中国・西安やインドを訪ね、見詰め直してきた。

 谷村は「すごい体験をさせてもらった。台本もないまま、毎日起こったことを記録していった。映像では伝わらない、現場のニオイを日記につずった。それも合わせて楽しんでもらいたい」と語った。

 取材は8月2日から23日間に及んだ。初めて訪れたインドでは、言葉では表現できない感銘を受けたと言う。「食べ物にあたったわけでもないのに、体から汗が吹きだし、発熱と下痢に見舞われた。聖地のパワーをすべて受け取ってしまったのでは」。

 「昴」は、「さらば、昴よ」のフレーズだけが突然、ふっと思い浮かんだ。子ども時代に、思い描いていた風景を詞につづったと言う。この旅で何が見えたか、の問いに「どこへ向かって行くか、自分でも分からない。でも、自分が喜び、たくさんの人に喜んでもらえる方向に行くことだけは間違いない。迷いが全くない」。旅を終えた現在、当時とは違う意味を見いだしたようだ。

 [2010年9月3日18時35分]ソーシャルブックマーク