俳優石丸幹二(45)が井上ひさし追悼ファイナル「日本人のへそ」(3月8~27日、東京・渋谷シアター・コクーン)でこまつ座に初出演する。井上氏の初期作「日本人-」は吃音(きつおん)患者が治療のためストリッパー(笹本玲奈)の一代記を演じる設定で、どんでん返し連続の音楽劇。「井上作品はよく見ていて、出たいと思っていた。念願かなったけど、演技する立場になると難しく、必死に立ち向かっている」。

 東京芸大出身で劇団四季時代、4年前に退団後もミュージカルを中心に活躍してきた。歌唱力と甘い容姿で貴公子的な役も多かったが、今回は会社員からヤクザ、お父さん、偽学生などこれまでにない役柄を演じる。「着替えの連続で腹巻きも4色用意した。コントのような芝居に歌もあり、いろいろなものが交ざった飛び出す絵本状態の作品。テンポ良く裏切っていく構成を楽しんでもらえれば」。