16日に急性呼吸不全で亡くなった、俳優で声優としても活躍した有川博(ありかわ・ひろし)さん(享年70歳)の葬儀・告別式が19日、東京・調布市のセレモニアル調布でしめやかに営まれた。先輩俳優の里見浩太朗(74)ら約250人が別れを惜しんだ。

 里見は、数々の舞台やテレビドラマで共演、20年以上にわたって公私に親交があった。3年前、有川さんがゲスト出演したTBS系「水戸黄門」が最後の共演作。後輩の旅立ちに「ちょっと早いぞ」と祭壇に言葉を掛けたという。「真面目で、どんな小さな役でも真剣に取り組んでいました」。約10年前、里見の舞台で軽い脳梗で倒れたことがあったといい、「酒とたばこを止めて回復したけど、元気になると始めてしまう。誘惑に勝てなかった」と悔やんだ。

 喪主あいさつに立った妻和子さんは「頑固一徹。1日24時間、1年365日、演劇から頭が離れなかった。一生演じることを止めなかった」と役者人生を振り返り、「人工呼吸器を付けると言われ、息するのを止めたのかもしれない」と号泣した。