米アカデミー賞俳優のベニチオ・デル・トロ(45)が11日、広島市を初めて訪れ、平和記念公園にある原爆資料館などを見学し「忘れてはいけないことがあると感じた」などと語った。

 デル・トロは昨春、新藤兼人監督の代表作「原爆の子」の米国初上映を企画した。今回は、新藤監督の100歳を祝う催しに参加するために訪れた。

 原爆慰霊碑に花を供えた後、原爆資料館を見学。案内に耳を傾けながら熱心に展示に見入り「忘れない限り、人類は生き延びる」と記帳した。

 その後の会見では「人々が立ち上がるために希望を忘れずにいたことに驚いた」などと広島の印象を語り、新藤監督について「情熱や真実を探そうとする姿勢にインスピレーションを感じる。映画で表現される心にいつも刺激されている」と熱っぽく語った。

 これに先立ち、10日には最も感銘を受けたという新藤監督の「裸の島」の舞台となった同県三原市の宿祢島(すくねじま)も訪れた。