朝鮮半島の緑化に取り組んだ日本人の半生を描いた映画の試写会が27日、盛岡市内であり、主演俳優吉沢悠が、岩手県陸前高田市の高田松原の再生を願い、15センチほどに育った松の苗木を市民グループ「高田松原を守る会」に手渡した。

 苗木は、独立行政法人「森林総合研究所」が、高田松原の松ぼっくりから育てた。吉沢は「種から芽を出す松の生命力に力強さを感じた」とあいさつ。守る会の鈴木善久会長は笑顔で受け取った。

 映画は山梨県生まれの林業技術者、浅川巧氏が1914年から朝鮮総督府の林業試験場に勤め、森林再生に取り組む姿を描いた。

 景勝地だった陸前高田市の松原は津波で壊滅状態に。唯一残った「奇跡の一本松」も海水で根腐れした。市は秋から保存のための防腐作業をする予定。(共同)