「AKB48

 紅白対抗歌合戦」が20日、東京ドームシティホールで行われ、大島優子(23)率いる白組が優勝した。計155人のメンバーが紅白に分かれ、アンコールを含めて計34曲を歌った。ライブは国内外113カ所の映画館、グーグルプラス、ユーチューブでも生中継。大物の司会者や審査員の起用、応援合戦、観客による審査など、本家のNHK紅白歌合戦を再現したエンターテインメント精神にあふれたステージで、ファンを喜ばせた。

 その光景は、大みそかの紅白歌合戦の再現そのものだった。優勝した白組キャプテン大島の笑顔がステージ上ではじけた。審査員の野村克也氏(76)から優勝旗を受け取り、「白組だけでなく紅組の努力もすごい。(ファンに)愛されているなとあらためて感じた」と笑顔を見せた。出演者が勢ぞろいして迎えるエンディング。この日は最後まで「まるで紅白」に徹した演出のめじろ押しだった。

 司会は、堺正章(65)とフリーアナウンサー千野志麻(34)のコンビ。審査員にも楽天前監督の野村氏、女優の三田佳子、経済評論家の森永卓郎氏、神田うの、叶姉妹ら多彩な顔ぶれがそろった。司会の紹介で紅白それぞれが交互に登場して歌を競う進行はもちろん、あやまんJAPANとダチョウ倶楽部によるお笑いタレントが参加した応援合戦や、箱の中に入った玉を投げて数える投票数の確認、場内ファンの紅白を示すうちわを双眼鏡を持った「日本野鳥の会」を思わせる人が数える風景など、NHK紅白歌合戦でおなじみの光景が次々と繰り広げられた。

 本家を上回ったのは、サプライズ演出。メンバーの出演順、曲目ともに観客や審査員には知らされておらず、意外な展開にファンは大歓声を上げて喜びっぱなしだった。

 審査結果発表も盛り上がった。白組の渡辺麻友が「うれしすぎて、もう今年終わってもいい」と大興奮。大島が「もうちょっと頑張らなきゃ駄目よ」と、31日の本家紅白を意識した発言も飛び出した。

 この日は、AKB48グループのメンバーが勢ぞろいした。紅組はNMB48の16人にインドネシア・ジャカルタが拠点のJKT48の16人を加えた76人。対する白組もSKE48、HKT48の各16人を含めた79人がステージに立った。

 今年は「日本を元気にしたい」をスローガンに活動してきた。年末にファンと一緒に締めくくりたい。そんな気持ちが初めての歌合戦を成功に導いた。最後に司会の堺が「来年もやっちゃいますか?」とマイクを向けると、会場は大声援に包まれた。AKB48による新たな年末の恒例行事が誕生した。

 【2011年12月21日付紙面から】