NHKの石川洋(いしかわ・ひろし)アナウンサーが6日午後3時47分、都内の病院で死去した。53歳。同局が7日発表した。病名は遺族の希望で明らかにされていない。関係者によると数年前から体調を崩し、入退院を繰り返していたという。昨年12月初旬に容体が悪化して入院。そのまま回復することなく亡くなった。

 川崎市出身で、83年に入局。スポーツ実況アナとして活躍した。五輪放送は94年リレハンメル大会でキャスターとして初めて携わり、夏は96年アトランタ五輪から08年北京五輪まで4大会連続で実況を担当。冬も98年長野五輪から10年バンクーバーまで4大会連続で担当。計9回の五輪に携わった。

 水泳が得意分野で、04年アテネ五輪では北島康介のインタビューを担当、「チョー気持ちいい」の名言を引き出した。08年北京で北島の平泳ぎ100メートルと200メートルと2つの金メダル獲得も伝え、2大会連続の金メダル実況となった。

 98年夏の甲子園では、松坂大輔を擁する横浜とPL学園の延長17回の熱戦を実況。昨年1月のラグビー大学選手権決勝の中継がスポーツのビッグイベントの最後の実況となった。

 同局によると、最近は体調を考慮しながら仕事をこなし、昨年12月の入院前までラジオでニュースを読んだりしていた。仕事は常に冷静で、プライベートでは先輩や後輩からも慕われる明るいナイスガイだったという。通夜は12日、葬儀・告別式は13日に行われるが会場は非公表。喪主は妻秀子(ひでこ)さん。