初期食道がんから約1年2カ月ぶりに復帰した歌手やしきたかじん(63)は、がん発覚の約3カ月前に、胸に痛みを覚え、狭心症と思いこんでいたことが23日、分かった。この日午後、たかじんの復帰初収録となった関西テレビ「たかじん胸いっぱい」(土曜午後0時)が放送され、その中で、たかじんが明らかにした。

 たかじんによると、一昨年10月ごろ、胸に痛みを感じ、心臓病と思い、検査を受け、狭心症の疑いも浮上したが、病名は判明せず。同年末、毎年恒例のハワイでの年越しを取りやめ、年が明けた昨年1月末、人間ドックで胃カメラ検査を受け、食道に腫瘍が発見された。

 「細胞とって良性か悪性か、検査します言うてたけど、おれは『あ、悪性やな』と。そんなん、ここまで好き勝手に生きてきて、良性やったら、世間のみなさんに申し訳ないわ」と、すぐに覚悟を決めたという。ただ、胸の痛みの理由が判明したため、人間ドックの検査は途中でやめ、そのまま「焼き肉食いに行った」。その後、正式に食道がんが分かったときも「あ、がんや。しゃあないな」としか思わなかったことも明らかにした。

 同年2月9日、都内の病院に入院。50インチの大型テレビ、お気に入りの入浴剤などを持ち込み、VIPルームに入り、同3月5日から抗がん剤治療を開始。同4月9日、最新設備の3D内視鏡を使った手術で、がんの切除に成功したという。

 入院の模様については、主治医もVTRで番組に出演し、詳細に説明。主治医によると、がんの手術は成功したものの、縫合不全により、消化液が肺などへ漏れており、2度目の手術を行ったという。

 また、主治医は「普通、この状態なら数カ月は回復にかかるが、(たかじんは)1カ月で回復。こんな人みたことない」と驚きのコメント。その理由は、積極的に食事を摂取しようとする姿勢にあったようで、主治医は「半分、戻しながらも(栄養補給を投薬に頼らず)次々と食べ物を口に入れていた」ことも明かした。たかじんは「自分の病気は自分で治さなあかん」と言い、入院中にマクドナルドのフィレオフィッシュも食べていたそうだ。

 たかじんは同6月9日に退院。住まいのある北海道で療養を始めたが、栄養補給のため腸へつないでいたパイプを、「自分の口から食べ物を食べるため」に自力で抜き取ったことも告白。このころ再び、抗がん剤治療を始めており、「髪は抜けんかったけど、腸閉塞(へいそく)まがいになった」と言い、再入院も経験したという。

 その後は経過も順調で、同11月20日からはハワイでの療養をスタート。同12月25日には、別荘設備のカラオケで20曲歌い、声の調子も確かめていた。ただ、体重は50キロ台だったため、目標の60キロ台に戻れば復帰すると決意。アーモンドチョコ、あんぱんなど、高カロリー食品を好んで食べ、今年1月14日に体重は60キロ台に回復し、現在はベストの63キロ前後を維持している。

 また、昨夏、写真週刊誌に撮影された親密女性との交際については「そんな(世話を焼く)のは、次から次へとローテーションでくるわ」と煙に巻いていた。