女優の満島ひかり(27)が10日、東京都内の青山円形劇場で、共演する伊藤歩(33)福田麻由子(18)菊池亜希子(30)とともに舞台「いやむしろわすれて草」(16日初日、前田司郎作・演出)について語った。

 病弱で入退院を繰り返す4姉妹の3女・三樹(満島)の横たわるベットを中心に、長女・一美(菊池)次女・二葉(伊藤)四女・春菜(福田)ら家族と周囲の人々との会話、4姉妹の少女時代からの回想で構成される。子ども時代から仲の良い姉妹が大人になり、現実との間の葛藤を感じながらも生活していく日常を描く。タイトルは忘れないでほしいという「わすれな草」があるなら、むしろ忘れてくれた方が気が楽だと思うときもあるという、三女の気持ちを表している。4人が口をそろえて「見る人によって受け取り方が違うかもしれない」と話す作品になっている。

 満島は中心に置かれたベットの上に横たわったまま、ほぼ舞台の上に居続ける難しい演技となる。「いなくなるのは5秒ぐらい、立ち上がるのも3回ほど。さすがに体にガタが来ました」と苦笑い。現実の世界と子ども時代の場面転換時も1人のシーンが多く、今も表現について考えながらけいこを続けているという。「みんながいるときには私の存在は忘れてもらって、1人になったとき『いたんだ』と気付いてもらえるようにしたい」と独特の表現で自身の役を語った。

 4人の息も合ってきた。作・演出の前田司郎氏の自宅兼けいこ場でのけいこ後は、鍋を囲んだ。4人でスーパーへ買い出しに行き、菊池がバックのポケットから大根をのぞかかせながら戻り、終電ギリギリまで盛り上がることもあったという。最年少の福田も「今では本当の4姉妹みたいになってます」と笑った。